2008年4月15日火曜日

冨墓林 ライブアット恵比寿フィールド

私はギターが大好きです。趣味で楽器を嗜みますが、特にギターに対する愛着があります。もちろん、機材を揃えて、メーカーに拘って、めちゃくちゃ運指が滑らか・・・というレベルではないのですが。そういうわけで、元来ロックミュージックが好きなうえに、ギターが中心の楽曲に耳がいってしまうわけであります。
トミー・ボーリンは日本のロック愛好家たちからはDEEP PURPLEの最後のギタリスト、しかもへタッピなギタリストとして認識されております。76年のラストツアーにて、ジャマイカのギグの際に質の悪いヘロインをやりすぎてボロボロの状況で日本に上陸・・・その悲惨なプレイはそこいらのロック少年に「俺の方がウマい!」と思わせる内容であります。そのため、どうしても日本では知名度が低いですが、ここ最近は本国にて弟がHPを立ち上げアーカイヴスを販売したり、日本国のマニアな方がHP立ち上げたりとだいぶ浸透してきたような気がしますね。私が大学のときにネットで検索してもほとんどヒットしなかったのに!どういういことでしょうか?
このジャケットみてください!最高ですね~。緑のマニキュアと服の緑が合ってるな・・・というところもそうですが、このストラトのたたずまい・・・激渋!むちゃくちゃ格好よいです。さて、内容ですが、トミー・ボーリンがジョー・ウォルシュの後任としてジェイムズ・ギャングに在籍したころ、地元に帰った際に友人とともに小さなグラブでライブを行った模様の実況録音です。ツインドラムにパーカッション・・・打楽器多すぎですが、キーボードレスでフュージョンをバリバリやるので一聴では荒さが目立つと思いがちですが・・・さにあらず!このころのトミー・ボーリンははっきりいって10年以上先にいっているプレイを聴かせてます。所謂、ファンク、ジャズ、ブルース、ハードロックをミックスした、実に個性的でかつ特徴的なスタイルをみせてくれるのです。この後ドラッグで身をほろぼしますが、この頃のプレイが最高に脂がのっており、ギター、ベース、パーカッションだけで音のアツみはじゅうぶん。ビリー・コブハムやジェレミー・ステイグなどのジャズ・プレイヤーとセッションを重ねていたころでもあり、約1年まえにやっていたプログレ・バンド、エナジーでのある種ロックとジャズの融合的なアプローチが完成をみたのもこのころです。
ジョン・マクラフリンのマハビシュヌ・オーケストラのカバーであるYou Know, You Knowでの超攻撃的アレンジのアプローチは彼のセンスの良さを伺わせます。フリーのカバーがあったり、前述のマハビシュヌのカバーがあったり、ブルース、ジャズの影響が濃いですが、何と言っても彼の凄いところは当時すでにファンクを吸収していたこと!めっちゃファンキーなんです。カッティングのリズム感とかが当時のギターリストと明らかに違うのです。実際ボブ・マーリーからの影響もありましたし(クラプトンみたいに鈍くさくありません!)彼のソロ・ファースト・アルバムではレゲエの曲もあります。その点は彼のスタイルに大きく影響していると思います。最近のギタリストではレッチリのブラウン・シュガー・セックス・マジックでのジョン・フルシアンテがトミー・ボーリンの器を感じさせます・・・そのストラトの音色、カッティングの妙技、ソロでの大胆なアプローチなどなど・・・ジャズ色は皆無ですが。
何よりギターの音!アンプがハイワット!これはもう、最高でしょう。スピーカーは安いやつらしいですが・・・後はアナログテープエコーの代表格エコプレックス。これを駆使できるギタリストはストレイ・ドッグのスナフィーとトミー・ボーリンだけですね。しかもトミー・ボーリンはギター・ソロの合間にエコプレックスでいじるいじる、めっちゃトリッキーです。
トミー・ボーリンという人は、超感覚的人間であったようです。楽譜が読めない、フィーリング重視、リズムで音を作る、細かいこと気にしない・・・目の前にある正体不明の錠剤をパクッと飲んでしまう・・・「If They Don't Take A Joke...Fuck 'Em!」の精神・・・76年にドラッグで他界・・・ジミヘンと一緒で、生きていたらどうなってたかな~と思ってしまいます・・・

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